今、日本では年間約15,000人が新たに子宮頸がんに罹患し、年間3,500人が子宮頸がんで亡くなっています。中でも若い女性の(20歳代後半から30歳代後半)の罹患率が急増しており問題になっています。昔は子宮がんの好発年齢は50歳代でありましたがどうしてこのように若い人に多く発生するようになったのでしょうか?その理由は初交年齢が若年化したからです。報告によると中学3年までに16%、高校3年生までに4
 


5%の女子学生が性交を経験しています。子宮頸がんの原因は性交によるヒトパピローマウイルス(HPV)の子宮頸部への感染
です。このウイルスは若い女性(特に思春期女性)に好んで生息し、感染から10年以上の長い年月を経て子宮頸がんが発生しますので、思春期のHPVの感染が20〜30歳代の子宮頸がんの発生頻度を上昇させていると思われます。検診についてですが、これは前がん状態で見つけることが目的です。前がん状態で見つけられることによって子宮を温存しながらの手術が可能で、100%治りますし将来妊娠分娩が可能なのです。20歳代での子宮ガン検診の受診率は6%ほどです。今後の受診率を上げることも大きな課題になっています。
 



HPVは男女の陰部、爪、女性の膣、子宮頸部、男性の陰茎、精液、前立腺に常在するウイルスです。男性の40%ほどの方がHPVを保有するといわれており、男性の陰茎に付着したウイルス、精液に含まれたウイルスが性交によって子宮頸部に移行することによって感染が成立します。しかし多くの感染ウイルスは免疫力によって1~2年以内に排除死滅し2年以上生き残るものはわずか10%くらいです。この10%のウイルスが様々な影響を受けて子宮頸がんが発生します。子宮頸がんを起こすウイルスは13種類あり、日本で多いのは16型、18型のウイルスで子宮頸がんの80%はこの2つのウイルスによって発生しています。後に述べる予防ワクチンはこの2つの型の感染を防止するものです。




 
 


  HPVは性行為の可能性がある前の年齢で接種するのがベスト。しかし仮に性行為後であっても再感染予防のために接種することは決して無駄ではありません。最初の感染と再感染を防いで持続感染状態にしないことで、子宮頸がんを予防することができるのです。



子宮頸がんワクチンの効果はまだ始まったばかりでどのくらいの効果が続くかは断定できませんが抗体価の研究から推測すると30年間は有効と思われています。十分な抗体価に持っていく為に子宮頸がんワクチンの接種は3回行う必要があります。初回、1ヵ月後、6ヵ月後となります。インフルエンザワクチンは毎年新しい変異株となって発生するので基本的に1シーズンです。

 



  問診、診察
 

予防接種の説明を行い、体調的に問題が無いか確認します。

 
 
  接種
 

子宮頸がんワクチンは肩に筋肉注射を行います。
インフルエンザワクチンは腕に皮下注射を行います。

 
 
  接種後
 

インフルエンザワクチンの場合は接種後10分、子宮頸がんワクチンの場合は接種後30分待合室で休んでいただき、体調に問題が無いか確認後お帰りになれます。




  子宮頸がんワクチン   無料 (平成6年4月2日生 〜 平成11年4月1日生)
      15,000円/回 (上記以外の女性)
       
  インフルエンザワクチン    3,600円/回



  ワクチンを接種した後には、注射した部分が痛むことがあります。注射した部分の痛みや腫れは、体内でウイルス感染に対して防御する仕組みが働くために起こります。通常数日間程度で治ります。
   
 



  Q. まだ若いから、検診は受けなくても大丈夫?
  A.

子宮頸がんは比較的若い女性に多くみられ、特に20〜30代の女性に急増しています。子宮頸がんは、若い女性の妊娠や出産の可能性を脅かし、尊い命を奪うがんなのです。若いときからきちんと検診を受けましょう。
     
  Q. 発がん性HPVは性交渉で感染すると聞きました。私は男性経験が多くないから、検診は受けなくても大丈夫?
  A.

複数のパートナーとの性交渉は、子宮頸がんのリスクを高めるといわれていますが、直接の原因ではありません。パートナーが1人の場合でも子宮頸がんになる可能性はありますので、必ず検診を受けましょう。
     
  Q. ワクチンを接種すれば子宮頸がん検査を受けなくても大丈夫?
  A.


子宮頸がん予防ワクチンは、特に子宮頸がんになりやすいHPV16型と18型の感染を予防しますが、すべての発がん性HPVの感染を防ぐものではありません。子宮頸がんを完全に予防するためには、ワクチン接種後も定期的に子宮頸がん検診を受ける事が大切です。
     
  Q.

性交渉の経験があるので、すでに発がん性HPVに感染しているかもしれません。ワクチンを接種しても効果は期待できませんか?
  A.


現在発がん性HPVに感染しているとしても、今後自然に排除される可能性が高いです。しかし、このウィルスは何度も感染する事があるため、ワクチンを接種して次の感染を防ぐ事が大切です。ただし、ワクチンは接種前位に感染している子宮頸がんや前がん病変の進行を遅らせたり、治療することはできません。
     
  Q. 新聞報道などで失神したりする事があると見ましたが...
  A.

筋肉注射のため、一般の注射より若干痛みを感じる場合があります。そのため、痛みに弱い方は事前にお申し出ください。実際には失神は痛みによるもので、ワクチンの副作用ではありません。また、2万人に1人の確率であり、ほとんど心配はありません。

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